読みやすい文章を書くには?〜「言葉ダイエット」橋口幸生〜
読みやすい文章を書きたい
レポートに追われている大学生やプレゼン資料を作らないといけないサラリーマンなど、
大概の人は文章を書く時に思うことだと考える。
しかし、明確にどうすれば良いのか漠然としていてわからないことも多い。
そこで、自分の読みやすい文章を書きたいという願望へ向けての備忘録的なイメージとして、「言葉ダイエット」を読んでみた。
「言葉ダイエット」〜橋口幸生(著)
エントリーシート編
就職活動をする人なら誰しもが書かざるを得ないエントリーシート。
企業にいかに自分をアピールできるか、最初の関門でのある。
文面だけでいかに自分の人となりを伝えるには、文章能力が必要だろう。
メール編
現代の情報社会では、チャットでコミュニケーションを取り合うことも増えてきているものの、依然根強く残っているメール。
しかし、いかに上手に端的に伝えられるかどうかは、メールの構成能力にかかっているのだ。
企画書編
プレゼンテーションを行う機会は、サラリーマンだけではなく学生もあるのではないだろうか?
しかし、実際に細かくスライドをつくる作り方を教えてくれることは少ないだろう。
だからか知らないが、巷には沢山のプレゼンの指南書たるものがある。
だが個人的には、「読みやすい文章を書くスキル」を付ければ、小手先だけのプレゼン技術は必要ないと思っている。
人は、書くことと、消すことで、書いている
書くこと以上に消すことが、伝わりやすい文章を書く上で重要なことだ。
つまり、文章をいかに取捨選択出来るのかということである。
大事なことほど短時間で効率的に伝えなければ伝わらないため、要らない部分をそぎ落とす、つまり「言葉ダイエット」をしなければならないのだ。
難しい文章ほどヘタクソだ
難しい専門的な単語を使っているほど素晴らしい文章だと考える人もいるが、
決してそうではない。
「難しいことを難しくしか書けない」のは、筆者の文章能力がないからだ。
専門家同士の会話ならそれで構わないが、
全ての人に伝えるためには難しいことを簡単に噛み砕いていく能力が必要である。
では、どのように意識すれば読みやすい文章が書けるのか
それについて簡単にまとめてみた。
意識編
-
読んでもらえる前提を捨てる
基本的に筆者はその文章に思い入れがあるため「その文章をきっと読んでくれるだろう」と考えるかもしれない。
しかし、逆の立場つまり読者の立場になって考えてみよう。
人の書いた文章は、面倒だから飛ばし読みをすることが多いのではないか?
特に、エントリーシートはその傾向が顕著である。
- 発見したことや面白いと感じたことを、ありのままカッコつけず書く
特に就職活動の時に必要なエントリーシートを書く際に、
「どうせ話すならカッコいい成功体験を語ってアピールしたい」
と考えるだろう。
しかし実際に面接官が読みたいことは、綺麗事ではなく
「その人しか体験できないような特別な体験」のことだ。
いかに、ありのままにかっこ付けず伝えられるかどうかが良い文章を書くための大切な材料となるのだ。 - 読みやすい文章をマネる
一番簡単な方法は、上手な文章のマネをすることだ。
自然と自分の身に染み込むまでマネると、自分の文章自体が上手になっていくだろう。
恥ずかしがらずに、プライドも捨てて先人のマネをしてみよう。
しかしながら、コピペ は厳禁だ。
技術編
- 一文一意で40〜60字以内に抑える
文章が長くなりすぎると、主語と述語の関係が不明瞭になってしまうためである。
出来るだけ端的に伝えるためには一文(40〜60字以内)で一つの内容しか書かないことがオススメだ。 - 修飾語禁止
修飾語は、定義が曖昧なものが多いので読み手と書き手とで解釈が違うことがよくある。
そうなると、トラブルの元になりかねない。
だから修飾語は出来る限り使わないようにしよう。
例)「洗練されたデザイン」:どんなデザインが洗練されているのか人によって考え方が違う。 - カタカナ語など専門的な言葉禁止
基本的に難しい印象を与えるカタカナ語。
多用しすぎると何を言いたいのか読者に伝わらないことがある。
だから、簡単な日本語に置き換えることが必要である。 - 構造が命
特にメールの時に問われることであるが、一つの書類やメールで内容が完結することが必要である。
なぜなら、すぐに情報は新しくやってくるため、読者も色々な所に情報を書かれると混乱するだろう。
だから、それを読むだけで内容が分かるよう「導入・展開・まとめ」を意識する必要がある。 - とにかく読みやすい大きな字で
プレゼンのスライドやメールで特に言えることだが、細かい字で書かれると読む気が失せるだろう。
読んでもらうためには、大きな字の方が分かりやすい。
感想
自分は、歯学部に通っているため、歯の専門的な名称などを習うことが多い。
また、生物の専門的な言葉なども勉強している身である。
しかしながら社会人となって専門的な仕事をした際に、
一般人である患者にいかに専門的な言葉を使って習ってきたことを説明する能力は、
勉強が出来る・出来ないとはまた違った能力だと考える。
だが、最近の若者はSNSの普及により、本など長文を読む機会が減っていると示唆されている。
また、分からない単語や言葉があればすぐにググる(ネット検索をする)ことで知識を得ることが出来る。
しかし、そのググった知らなかった言葉を相手に伝えることは、これからも必要になってくる能力である。
そのためには、「いかに文章能力を向上させて相手に説明できるか」が鍵となってくる。
だからこそ相手に説明する能力は、著書で書かれていることを意識するとだいぶ結果が変わってくるだろう。
これからも日本語教師や家庭教師などの「教える」という経験を通じて「伝える能力」を付けていきたい。
参考文献
読解力低下はSNSのせい?文章の能力が可視化される時代になっただけ!?(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース